新型コロナウイルスの感染拡大前、クルーズ船で来港し観光バスへ向かう外国人客=2019年1月24日、福岡市博多区、長沢幹城撮影
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 数千人の訪日観光客が一度に訪れる国際クルーズ船。コロナ禍も終わり、九州・山口の各地から期待の声が上がる一方、オーバーツーリズムも課題となっている。解決のため、福岡市が開発した独自の「システム」がいま注目を集めている。(大下美倫、板倉大地)

開発に計1370万円 「お願いベース」のナビ

 博多港(福岡市博多区)にある中央ふ頭クルーズセンター。駐車場に約20台のバスが並ぶ。約30分後に中国・天津から到着するクルーズ船の乗客らを待っていた。

 市が委託する業者の社員が近づき一台ずつバス運転手に話しかけた。「このバスは大濠公園から、油山の牧場ですね」

 社員の手元にはバスの行程が書かれた紙があった。確認を終えると、運転手に駐車許可証と1台の端末を手渡した。

 この端末に入っているのは「…

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