保護者が運営するクラブで経理担当の役員を務めた女性。会計処理や決算の作成など任期中は負担が大きかったという

 決算作業も職員の勤怠管理も保護者がやっていたなんて――。

 現在中1の長男(12)と小3の長女(8)をさいたま市内の学童に通わせていた自営業の女性(40)は、心底驚いた。2021年度に学童で役員を務めた時のこと。利用選考ではすぐに入れた学童だったが、入ってからの保護者負担が大きかった。

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 この学童は、保護者会が設立したNPOが市から業務委託を受けて運営している。県内には比較的多く見られる運営形式で、特にさいたま市では市内308カ所の学童のうち約4割にあたる124カ所がこれにあたる(23年4月1日時点)。

 こうした学童では、職員の採用や労務管理、施設修繕、財務管理などの実務を実質的に保護者会の役員が担っていることがあり、保護者への負担の大きさが課題となっている。

 女性が経理担当の役員になったのは、「在籍児童1人あたり必ず1度は役員を務める」という内部ルールがあったからだという。「エクセルができれば大丈夫」と言われたが、実際の業務量は膨大だった。

全国でも待機児童数の多いさいたま市では、保護者会が設立したNPOが運営する学童も多くあります。記事後半では、女性が役員として運営に携わった1年間の出来事を紹介します。

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