米スタートアップ企業が進める地球温暖化防止の事業が、波紋を広げている。実験段階レベルの技術だが、すでに成果をあてこんだ「冷却クレジット」も販売。企業側は意義を強調するものの、国内外で反発を呼んでいる。日本の識者も事業のあり方を「もってのほか」と批判する。

 この企業は、「メイクサンセッツ」社。同社が進める事業では、上空に微粒子をまき、太陽光をはね返すことで、気温上昇を緩和できるとしている。

メイクサンセッツ社が米国で二酸化硫黄入りの気球を飛ばした際の様子=同社提供

 4月、朝日新聞の取材に応じたCEOのルーク・アイゼマン氏は「地球の気温を下げ、毎年何千人もの命を救い、多くの種の絶滅を防ぐことができる。本当のリスクは、何もしないことだ。被害を未然に防ぐべきだ!」と、自身の考えを強調した。

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