佐賀県玄海町の北西端、値賀崎にある玄海原子力発電所=2024年4月24日午後3時12分、佐賀県玄海町今村
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 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を巡り、佐賀県玄海町議会(定数10)は26日、選定に向けた第1段階の文献調査を求める請願3件を賛成多数で採択した。町内に九州電力玄海原発があり、文献調査を「(原発がある)自治体の責務」としている点について、他の首長から否定的な意見が相次いだ。

 町議会の本会議は議長を除く9人で採決し、賛成6人、反対3人だった。文献調査には自治体の応募か受け入れが必要で、脇山伸太郎町長は議会後、「5月中に決断する」と述べた。調査に入れば、北海道寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村に次いで全国3例目で、立地自治体としては初めてとなる。

 請願採択について、山口祥義・佐賀県知事は同日の定例会見で「(最終処分の問題に)一石を投じたことにはなる」と評価する一方、「(立地自治体の)責務とは思っていない」と述べた。

 玄海原発があることで負担を…

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