中国・北京の人民大会堂で2024年4月26日、習近平国家主席(右)と会談するブリンケン米国務長官=ロイター
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 26日、訪中しているブリンケン米国務長官が習近平(シーチンピン)国家主席と会うことが明らかにされたのは、会談開始の直前だった。米側が習氏との直接会談を望み、中国側も受け入れた背景はどのようなものか。根深い構造的対立を抱える米中関係はいま、どのような位置にあるのか。

  • 米国務長官、習国家主席と会談 台湾や中東情勢など巡り意見交換か

 バイデン政権はこれまで、トランプ前政権の強硬な対中政策をおおむね引き継ぎつつも、誤解や行き違いから偶発的な軍事衝突につながることがないよう、中国との「建設的な対話」を重視する方針は一貫して示してきた。2022年8月のペロシ米下院議長(当時)の訪台や、23年に米本土に中国の気球が飛来した問題などで米中関係は「過去最悪」(米高官)の水準となったが、高官の往来を重ね、23年11月には米中首脳会談が実現した。

厳しい態度を取らざるを得ないわけ

 一方でバイデン政権は、同盟国や友好国との関係強化による「対中包囲網」の構築に力を入れてきた。日米韓や日米比のように複数国が多層的に折り重なるように連携する枠組みで、米高官は「格子状」と表現する。

 4月11日には、ワシントン…

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