イラン中部イスファハンで2024年5月7日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長(左)と会談後の共同記者会見の終わりに、報道陣に手を振るイランのエスラミ原子力庁長官=AP
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 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は6、7両日、イランを訪れ、大きく後退している核査察への協力などについてエスラミ原子力庁長官ら政府高官と協議した。イランの国営メディアが報じた。入国拒否によってIAEA査察官の活動が阻まれていることなどを重くみて、事態打開を目指したとみられる。

 グロッシ氏のイラン訪問は1年2カ月ぶり。7日に中部イスファハンであった共同記者会見で、エスラミ氏は前回グロッシ氏をイランに迎えた2023年3月に協力継続をうたった共同声明を出した意義を強調し、今回「建設的で前向きな協議ができた」と述べた。イランは国際社会からの制裁がさらに強まることを恐れており、IAEAと一定の協力関係を残し、それをアピールしたい思惑があるとみられる。

 だが実際には、昨年から事態は好転していない。イランの核開発は進み、IAEAは十分な検証活動ができない状態が続いている。グロッシ氏は7日の会見で「イランは核開発のよりよい検証のため具体的な措置をとってほしい」と述べた。6日にアブドラヒアン外相らと会談した後には、自身のX(旧ツイッター)で、具体策を提案したと投稿した。

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