鼓月の鳥飼優介さん(左)と山田真樹選手。持っているのが「anpower」=東京都内

カンサイのカイシャ ここがオモロイ!

 来年11月、東京で、聴覚に障がいがあるアスリートの祭典「デフリンピック」が開かれます。出場をねらう日本の陸上選手たちの支援を、この4月、京都の和菓子屋「鼓月」が始めました。どんな支援? そもそも、なぜ? まず金メダリストの練習風景から。

 東京都内のグラウンドに、山田真樹選手(26)が現れた。

 おや、何か食べた。

 練習開始。ダッシュ、筋トレ、坂道走など、激しいメニューをこなしていく。

 あれ、また食べた。

写真・図版
スタートする山田真樹選手。じつは、役者もしています=デフフォトグラファー岡田撮影、所属する株式会社U―8(ユーエイト)提供

 練習再開、メニューをこなしていく。こうして6時間にもおよぶ練習は終了……。

 あれ、また食べた。

 山田選手が食べていたのは、「anpower(アンパワー)」という羊羹(ようかん)。鼓月が3年の月日をかけて開発し、2019年に売り出した。たんぱく質ゆたかな小豆からつくったあんこに、アミノ酸やナトリウムなどを加えた、栄養補給のためのスポーツ羊羹である。

 「あんこは消化がよく、すぐエネルギーになっていると感じます。汗をかいたあとの塩分も補えるのも、うれしい」

 鍛えられたアスリートらしい…

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