米シンクタンク「ジャーマン・マーシャル・ファンド」のボニー・グレイザー氏=同シンクタンク提供

 ブリンケン米国務長官が中国を訪問し、26日に王毅(ワンイー)政治局員兼外相や、習近平(シーチンピン)国家主席と会談しました。米中の対立が深まるなかでも、双方が対話を続ける狙いとは何か。米大統領選は、今後の米中関係にどう影響するのか。米シンクタンク「ジャーマン・マーシャル・ファンド」のボニー・グレイザー部長に聞きました。

――なぜこのタイミングで、ブリンケン氏は訪中したのでしょうか。

 バイデン政権の対中政策の方針は、対話を通じて中国との競争を管理し、衝突を回避し、米国の利益を守ることです。ですが共和党を中心に、バイデン政権の対中政策の目標が不明で、中国に弱腰だとの批判も受けてきました。

 11月の米大統領選が近づくため、夏以降は、米高官の訪中はなくなるでしょう。米側には今のうちに、できる限り対話を進展させておきたいという思いがありました。

 大統領選では、中国との関係の目標をどこに置くのか、中国との競争への「勝利」を掲げるのか、といったことも興味深い論点になります。

バイデン氏の姿勢に、中国側が抱く懸念

――バイデン大統領は今月、中…

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