現在の滑走路の西側で工事が進む福岡空港の第2滑走路(写真右側)。さらにその西側に国際線ターミナルがある=2024年4月9日、福岡市博多区、朝日新聞社ヘリから、小宮路勝撮影

 コロナ禍で大打撃を受けた航空需要の回復が進み、にぎわいが空港に戻ってきた。ただ、回復のスピードには空港間で大きな差がある。九州で改めて見えたのは、福岡空港への突出した需要だ。(江口悟)

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 九州・山口・沖縄の主な10空港の旅客数について、直近半年間の2023年9月~24年2月の速報値とコロナ前の18年9月~19年2月を比べた。

 その結果、国内線と国際線の両方ともコロナ前を上回ったのは福岡空港だけ。国際線は23年度通年でも過去最高となる見通しだ。

 福岡以外では熊本空港の国際線がコロナ前を上回った。台湾積体電路製造(TSMC)の進出などを受けた台北便の新規就航と香港便の7年ぶりの復活で、コロナ前の4割増となっている。

 その他の空港も、那覇や鹿児島、宮崎の国内線はほぼ回復した。だが、国際線は戻りが鈍い。佐賀と那覇以外はコロナ前の半分以下だ。

伸びる福岡空港に立地の「壁」

 回復が目立つ福岡空港は、博…

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