一脚だけでど迫力。「王様の椅子」と呼ばれていることを知り、納得した。この椅子を含む家具セットの制作を依頼したのは、映画監督の黒澤明氏。静岡・御殿場の別荘に置くためで、「世界のクロサワ」が悠々と座る姿が脳裏に浮かんだ。

 京都・祇園にあった黒田辰秋の生家は、漆の下塗りをする塗師(ぬし)屋だった。だが…

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