2021年の衆院選で当選した議員たちが開門と同時に正面から初めて国会に入る。465人の当選者のうち、新顔は97人だった=21年11月10日午前8時、国会

 「事務所や秘書は党が用意してくれるんですよね?」「自分は政策しか関心がありません」。自民党のベテラン職員は、公募で選ばれた若手支部長からの問い合わせが忘れられない。

 衆院選が自民同士も争う中選挙区から、自民からは原則1人しか擁立しない小選挙区に変更されて今年で30年が経つ。とりわけ政権に復帰した2012年以降、自民は大勝続きで、公認さえあれば多くの議員は苦労せず当選を重ねることができた。それを当たり前のように考え、地力をつけない議員が増えている。

 ベテラン職員は嘆く。「若手は、政党を寄りかかる存在と思っている。党全体を考える発想は全くない」

 政治全体はおろか、所属政党の在り方にも関心を持たず、自らの当落、つまり党の公認を得ることしか考えない。そんな「自分ファースト」の空気が党内に広がっていると危惧する声は少なくない。

 かつての自民党も「自分党」…

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