瀬戸内海に浮かぶ小さな島の全体がいくつもの建物で覆われ、中央の煙突からは水蒸気が年中たなびく。人呼んで「生きた軍艦島」。いったい誰が、何をしているのか。関係者以外は立ち入り禁止という島のナゾを探った。
広島県大崎上島町の「契島(ちぎりしま)」。面積約9万平方メートル、海岸の長さ約1.6キロメートルで、全体を「東邦契島製錬」という会社が所有している。立ち入り禁止なのはそのためだ。
鉛を製錬する会社で、実は日本一のシェアを誇る。同社によると、年間の国内需要20数万トンのうち、約4割にあたる約10万トンがここで製錬されているという。
かつては釣り糸垂れる主婦の姿も
6月上旬、特別に島を見学さ…