東京都は今年度から、私立を含めた高校授業料の実質無償化の所得制限を撤廃しました。私立高志向が高まるとも言われるなか、2024年度の高校入試にはどのような影響があったのでしょうか。また、まもなく迎える25年度入試の見通しは――。

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スマートフォンで受験番号を撮影する受験生ら=2024年3月1日午前9時53分、都立西高校、本多由佳撮影

都立上位校で「不受検率」上昇

 高校入試に詳しい進学研究会(中野区)統括研究員の進士高男さんは、「第1志望が都立から私立へと移る傾向は、すでに現在の高校1年生が受けた24年度入試からみられた。こうした傾向は今後も続くのではないか」と話す。

 小池百合子都知事が24年度から所得制限をなくす方針を表明したのは、昨年12月5日。これまでは年収910万円未満の世帯が対象だったが、今年度からは新たに都立で約4万4千人、私立で約9万9千人が加わり、実質無償化の対象になる高校生は約16万3千人になった。

 知事の方針発表が、すでに志…

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