今年のノーベル平和賞受賞者が、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に決まった。世界を驚かせたノルウェー・ノーベル委員会の判断の裏側には、39歳の新委員長の存在があった。
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「記憶を生かし続けることで、私たちはより良い未来に向かって努力することができる。私たちはそう信じています」
ノーベル委員会のヨルゲン・ワトネ・フリドネス委員長は11日、朝日新聞の電話インタビューにそう語った。
被団協の選出は「サプライズ」だった。識者やメディアは中東情勢やウクライナ情勢をふまえ、関連の個人や団体に賞が贈られるという見方を強めていた。
日本被団協を事前に候補者として名指しした識者や報道はゼロ。誰が推薦したのかは、50年間、明らかにならない。
では、なぜ日本被団協が選ばれたのか。
選考委員トップが重視する「記憶の継承」
ノーベル委員会は理由に、二…