定年後、途方に暮れないためにどう備えればいいのか。博報堂のコピーライターで、キャリアコンサルタントの資格を持つ三嶋浩子さんは、定年後を見据えた40~50代の多様な「生き方」を取材し、著書「未定年図鑑」(中央経済社)にまとめました。本に込めた思いや、登場人物たちの物語を聞いていくと、良きセカンドキャリアに出会うための「キーワード」を教えてくれました。(聞き手=本田靖明)
――未定年とは、どういう意味ですか。
- 芸能界のどん底を見た元俳優がセカンドキャリア支援 得た「リア充」
「定年」を意識し始める40~50代を指す造語です。現在、そこに当てはまるのは主にバブル世代(1965年~69年生まれ)と就職氷河期世代(1970年~84年生まれ)。この世代はまだ「終身雇用を勤め上げれば、定年後は年金を受け取りながら悠々自適な老後が待っている」と信じていた人が多いのではないでしょうか。
ところがバブル世代が50代に差しかかる頃、社員が65歳まで働けるように定年を引き上げたり、再雇用制度を導入したりすることが企業の義務になりました。その年齢は今後、70歳まで引き上げられる可能性があります。
さらに「人生100年時代」と叫ばれるようになり、「できるだけ長く働いて」「年金の受給開始も遅らせて」と言われるようになりました。上の世代が経験しなかった大きな変化に、いまの「未定年世代」は直面しています。
――ハシゴを外されたと感じている人も多いでしょうね。
最適なセカンドキャリアを見つける方法
リストラや定年で会社に頼れなくなったら?「未定年図鑑」に登場する人たちの人生から読み解きます。
いわば、イヤでも長生き時代…