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衆院本会議に臨む日本維新の会の前原誠司共同代表(後列右端)と国民民主党の玉木雄一郎代表(同左端)=2025年3月4日午後3時10分、岩下毅撮影
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 「もうダメだ。どうすりゃいいんだ」。2025年度当初予算案や税制関連法案などをめぐり、野党の賛否が割れることが決まった3日夕。立憲民主党幹部は野田佳彦代表に報告後、頭をかきむしりながら、そうつぶやいた。野田氏も周囲に「最悪のシナリオだ。自民党の思うつぼになってしまう」とうなった。

 野田氏は2月24日の党大会で「国民民主党にも日本維新の会にも横糸を通していくのは我々の役割だ」と強調した上で、「自民の思惑は3党(立憲、維新、国民民主)の巴戦(ともえせん)だ。巴戦に我々は参加しているのではない」と指摘し、自民による野党の分断工作に警鐘を鳴らした。だが、その懸念が現実となった。

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 予算案の衆院通過の協力を得るため、与党は維新と国民民主に政策実現の「果実」を用意した。国民民主は与党との協議に臨んだものの、所得税の課税最低限ライン「103万円の壁」の引き上げが不十分だとして、最終的に与党案を蹴った。一方、維新は高校授業料の無償化などで手を握り、予算案などへの賛成を決めた。

「維新に期待したが」「国民民主は責任持って」両党応酬

 その結果、両党の間に「あつ…

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