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ノンフィクション作家の柳田邦男さん=西岡臣撮影
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日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受賞します。NHKの新人記者時代を広島で過ごし、原爆をテーマにした著作もあるノンフィクション作家・柳田邦男さんに話を聞きました。

 1960年にNHKに入局し、最初に赴任したのが広島です。まだ生々しい被爆の証言を聞いて回りました。

 「水をください」という声があちこちで上がり、防火用水をためた水槽やドラム缶で灰にまみれた水を飲んだ――。誰もが共通して、水にまつわる記憶を語っていたことが印象に残っています。被爆者から聞いた当時の光景は、広島をおそった原爆と枕崎台風の複合災害を描いたノンフィクション『空白の天気図』にも盛り込まれています。

 東京へ転勤する直前の63年夏には、原水爆禁止世界大会も取材しました。広島での最後の仕事です。冷戦下の社共の対立から、内部の分裂が決定的になった大会でした。

 翌日に迫った大会を前に調整…

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