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衝突した軽乗用車(左)とワゴン車(右)=2024年3月14日午前0時10分、神戸市中央区元町通3丁目、小川聡仁撮影

 神戸市中央区の神戸元町商店街で3月、軽乗用車が暴走して3人が死傷した事故で、兵庫県警は10月1日にも、運転していた男(87)=東灘区=を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)と道路交通法違反(酒気帯び運転)の容疑で書類送検する。捜査関係者への取材でわかった。

 男は「アクセルペダルを強く踏んで車の速度が上がり、頭が真っ白になった」と説明しているという。

 男は3月13日午後10時20分ごろ、アーケード内で軽乗用車を時速約90~100キロで走行し、ワゴン車と衝突。助手席にいた妻(82)を死亡させ、ワゴン車の運転手(27)に軽傷を負わせた疑いがある。男も重傷を負った。

 事故後に採取した男の血液から基準値の約2倍のアルコールが検出された。男は県警に「アルコールが検知されたのであれば、夕方から夜にかけてビールか日本酒を飲んでいたのだと思います」と説明したという。

 県警は、飲酒で正常な運転ができない状態だった可能性などをふまえ、より罪の重い危険運転致死傷容疑も視野に捜査。だが自宅のある東灘区から中央区までは問題なく運転していたことなどから、事故と飲酒の関連性は低いと判断し、同容疑での立件は見送った。

 神戸元町商店街連合会が実施した調査によると、商店街の東端の入口から出入りする人の数は1日約4万人(午前10時~午後8時)に上る。

 商店街内で働く男性は「事故が日中に起きていたら、えらいことになっていたのでは」と話す。(原野百々恵)

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