第74回関西吹奏楽コンクール(関西吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)は16日、大阪府堺市のフェニーチェ堺で中学生の部Aが開かれた。近畿2府4県から計28団体が出演し、金賞を受賞したうち「合同バンド」の加古川市立中部・浜の宮(兵庫)、生駒市立生駒(奈良)、宝塚市立中山五月台(兵庫)、大阪市立鯰江(大阪)の4団体が関西代表に選ばれた。
4団体は10月19日に栃木県宇都宮市である全国大会に出場する。全国大会は規定の変更によって、今年から合同バンドでの出場も可能となった。
- 史上初「合同バンドで全国大会」切符つかんだ 関西吹奏楽コン中学A
全国大会の代表以外の結果は次の通り。
【金賞】京田辺市立大住(京都)、豊中市立十一、大阪市立堀江(以上大阪)、加古川市立加古川、尼崎市立小園(以上兵庫)
【銀賞】和歌山市立紀伊(和歌山)、平群町立平群(奈良)、大阪市立梅香(大阪)、西宮市立上甲子園、西宮市立瓦木、西宮市立塩瀬(以上兵庫)、香芝市立香芝(奈良)、立命館守山(滋賀)、姫路市立大白書(兵庫)、生駒市立光明(奈良)、大阪市立喜連(大阪)
【銅賞】長岡京市立長岡二(京都)、大阪市立三国(大阪)、守山市立明富(滋賀)、豊中市立十七(大阪)、守山市立守山北(滋賀)、田辺市立高雄(和歌山)、堺市立鳳(大阪)、立命館(京都)
無観客、初の「合同」…特別な大会の演奏レビューと出演者の声
台風の影響で2週間遅れ、無観客での開催となった今年。関西から秋の全国大会に進める「枠」は一つ増えて「4」になった。表情の変化に富むハイレベル演奏が繰り広げられるなか、史上初の「合同バンド」や19人という少人数での演奏が、ひときわ輝きを放った。
最初に登場した和歌山市立紀伊は、おもちゃ箱をひっくり返したように曲想が変化する課題曲Ⅲを、軽快なところとワルツでテンポをためる「遊び」をもたせて奏でた。
自由曲「斐伊川に流るるクシナダ姫の涙」も、アルトサックスのソロに入る時のけぶるような響きの変化が際立つ演奏。部長で打楽器の伊田憲信さん(3年)は「みんなの音が、すごくよく鳴っていた」と満足げだった。
冒頭のもの悲しさを印象づけるメロディーが、激しい曲調の後半にも再び現れる曲で、どうやって違った表現にするかを、繰り返し練習してきた。
結果は銀賞。無観客での演奏となったが、「(配信を見ている人に)思いが伝わるように演奏した。いつもお世話になっている親を思い浮かべた。ちゃんと届いたと思う」と話した。
続く長岡京市立長岡二(京都)は、課題曲Ⅳのマーチからスネアドラムの表現力が際立っていた。
織田信長の生涯を描いた自由曲では、表情を変えながらうたうソプラノサックスとホルンの存在感が光った。
立体感のある音で、騎馬がギャロップするようなリズムから最後に主題を力強く提示するところまで鮮やかに描いた。結果は銅賞だった。
銅賞の守山市立明富(滋賀)は自由曲「復興」で、アルトサックスやユーフォニアムが表情豊かに旋律を奏でていた。
バスクラリネットやテューバ…