写真・図版
2024年9月28日、米ニューヨークの国連本部で記者会見を開いたロシアのラブロフ外相=遠田寛生撮影

 イスラエル軍がレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ナスララ師を殺害したと発表したのを受け、ロシアのラブロフ外相は28日、一連の行動は、イスラエルが米国を巻き込もうとする目的があるとの持論を展開した。

  • 国連「パニックに近い状態」 専門家がみる国連総会、米国の影響力は
  • ヒズボラ最高指導者殺害、そのとき何が イスラエルの狙いと懸念は

 ラブロフ氏は同日、国連総会の一般討論演説が行われている米ニューヨークの国連本部で記者会見した。ナスララ師の殺害については「これは単なる政治的暗殺ではない。多くの人から、イスラエルは(この争いに)米国を直接巻き込むための根拠をつくりたいという話を聞いている」と発言した。

 国連本部では、多くの国の閣僚らが中東情勢に懸念を示し、全面戦争を回避するよう会合や演説などで訴えている。ラブロフ氏はイランは冷静に対応していると評価した上で、「私の認識では、イランに米国を挑発するように仕向け、地域全体に広がる全面戦争を引き起こそうとしている者たちがいる」と述べた。

 また、中東情勢に平和がもたらされないのは、世界中に影響力を持ちたい米国が和平交渉を仕切ろうとして、事態を難しくしているためだと批判した。

ラブロフ氏の一般討論演説 「核保有国であるロシアに…」

 ラブロフ氏は会見前には一般…

共有