フレグランス市場の勢いが増している。コロナ禍での「癒やし」として需要が高まり、服のように個性を表現するツールとして使う人が増えた。ラグジュアリーブランドにとっては、手に取りやすい価格で消費者の裾野を広げる狙いもあるようだ。

 「ファッションの一部として、ひんぱんにつけるようになった」。都内に住む30代の会社員男性は、コロナ禍でそれまで「全く興味のなかった」香水に関心を持ち始めたと話す。家にいる時間が多くなったことで、五感を刺激したり、リラックスしたりできるものが欲しくなった。自宅近くの店で「コウシ」や「ル・ラボ」の香水を見つけ、購入。以来、数種を愛用し、その日の気分や服装によって楽しんでいる。他人の目を意識してではなく自分自身が心地よく感じられることが大事で、「あまりかいだことのない独特な香りにひかれる」という。

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サロン・ド・パルファンのブース。香港やリトアニア、オランダの調香師らが参加した=松沢奈々子撮影

なかでも注目集める「ニッチフレグランス」って?

 香水の中でも、近年注目を集…

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