大リーグのワールドシリーズは29日(日本時間30日)、第4戦がニューヨークであり、アメリカン・リーグのヤンキースがナショナル・リーグのドジャースを11―4で下してシリーズ初勝利を挙げ、対戦成績を1勝3敗とした。ドジャースは30日の第5戦で勝てば、4年ぶり8度目のワールドチャンピオンが決まる。
ドジャースの大谷翔平は「1番・指名打者」で出場し、4打数1安打だった。
ドジャースは一回、フリーマンの4試合連続本塁打となる2ランで先制。2―1の三回にボルピに逆転満塁本塁打を許した。五回にスミスのソロなどで2点をかえし、4―5と追い上げたが、ウェルズとトーレスの一発などでヤンキースに引き離された。
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■満塁弾浴び11失点の大敗
ドジャースが王手をかけて始まった第4戦は、華々しいアーチで幕を開けた。
一回1死二塁。ドジャースの3番フリーマンが、右翼席に先制2ランをたたき込んだ。初戦からの4戦連発、ブレーブスに在籍した21年のワールドシリーズからの足かけ6戦連発は、いずれもシリーズ記録だ。
このままドジャースの4連勝で決着がつきそうな滑り出し。情けないホームチームの戦いぶりに、ニューヨークのファンの怒りが限界に達したようだ。そして、前代未聞の「蛮行」が発生した。
直後の一回裏のヤンキースの攻撃。先頭トーレスの飛球を、右翼手ベッツがファウルゾーンのフェンス際で捕球した。その球を、付近に座っていた観客が2人掛かりで奪い取ったのだ。近くで見ていた審判員はアウトをコールした。
騒然とするスタジアム。ベッツのけがにもつながりかねない危険な行為を犯した観客は、警備員に連れられて席を去った。
ピリピリした雰囲気の中、ドジャースの投手陣は踏ん張れなかった。三回に2番手ハドソンが逆転満塁本塁打を浴びるなど、11失点の大敗を喫した。
それでも、残り3試合で1勝すればドジャースが世界一。明るい材料もあった。左肩を負傷している大谷が五回に3試合ぶりのヒットを放った。前日は左腕をユニホームの襟元から離さず、入念に肩をかばっていた。この日は、凡退後に左手でバットを持って引き揚げる姿もあった。
試合後のロッカールームの様子も決して暗くはなかった。4試合連続本塁打のフリーマンは「早く世界一を決めたいが、明日もやるべきをやるだけだ」「(自身の快挙は)明日勝ってから喜べればいいさ」と言った。(ニューヨーク=安藤仙一朗)
■崖っぷちヤンキースに光明
崖っぷちのヤンキースが意地…