9月に開港30周年を迎えた関西空港を造るため、埋め立て用の土砂が採掘された場所が和歌山市内にある。跡地の利活用は和歌山県にとって長年の課題だったが、近年、光がさしている。
- 実現しなかった摩天楼の街、でも 関西空港と30年、地元の思いは
「バブルの負の遺産」
「塩漬けの土地」
跡地は長い間、そう揶揄(やゆ)されてきた。
当初は、県土地開発公社が造成した広大な土地に、高層マンションやリゾートホテルが建設される計画だった。しかし、バブル崩壊のあおりを受け、計画は破綻(はたん)。未利用の約252ヘクタールの土地と、公社の借入金約438億円が残った。
借入金のうち、県が約265億円を債務保証することになった。県は2004年2月、用地の一部の約109ヘクタールを公社から借り受け、企業用地「コスモパーク加太」として売り込みを始めた。だが、売却は順調には進まず、20年が過ぎた。
そんな土地に、今年2月、米グーグルの関連企業が進出した。
阪神甲子園球場の約10個分…