プラスチックごみによる汚染問題に対処する国際条約づくりが最終局面を迎えている。各国は、25日から韓国の釜山で始まる1週間の交渉会合で条約の内容をまとめる見込みだ。会合への期待や展望を、東京農工大の高田秀重教授(環境化学)に聞いた。

  • プラごみ規制、企業への影響は? 産業界が訴える廃棄物管理の重要性
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インタビューに答える東京農工大の高田秀重教授=2024年10月21日、東京都府中市の東京農工大、玉木祥子撮影

人にも生き物にも広がるリスク

 ――プラスチックによる影響の中で最も懸念していることは何ですか。

 プラスチック製品が劣化したり燃えたりするのを防ぐために加える添加剤です。この添加剤は、生物の体内に入ると悪影響を及ぼす環境ホルモン(内分泌攪乱(かくらん)物質)を含み、人の肝臓や腎臓、血液などから検出された例が報告されています。

 ただちに死に至るわけではありませんが、環境ホルモンによって、人間の生殖機能や免疫力が落ちるおそれがあることが明らかになっています。

 プラ容器などに含まれる環境ホルモンによる影響は、さらに詳しく調べていく必要があるでしょう。

 ――海洋生物が誤って食べてしまう問題もよく指摘されます。

 私たちの研究チームは202…

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