重い遺伝性疾患を受け継がせることなく子どもを授かるための技術「着床前検査(PGT―M)」。日本産科婦人科学会が初めて審査した疾患名と結果のリストを公表しました。そもそも、この検査はどんなもので、どのような流れで実施されるのか。懸念されることはないのか。解説します。
Q 着床前検査とは。
A 体外受精でつくった胚(はい)(受精卵)の遺伝情報を調べ、その結果をもとに子宮に移植する胚を選べる技術だ。体外受精から数日培養して細胞数が100個ほどの段階になった胚から、数個の細胞を採って検査する。
胚は子宮の中に入ると、子宮の内側を覆う組織(子宮内膜)に潜り込む。これが「着床」と呼ばれ、着床前に検査をすることからこの名前がついた。以前は「着床前診断」とも呼ばれていた。
Q PGT―Mとは。
A 重い遺伝性疾患を回避す…