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8月17日にあった塩谷哲さんのコンサートで共演する「みなとみらい Super Big Band」のメンバー=2024年8月17日、横浜市西区、横浜みなとみらいホール提供
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 学校の部活動とも習い事とも違う場で、音楽好きな中高生たちが演奏スキルを磨く――。そんな「第三の居場所」が横浜市内にある。横浜みなとみらいホール(西区)を拠点に活動するジャズバンド「みなとみらい Super Big Band」(通称SBB)だ。現在のメンバーは32人。結成10年を超え、プロのミュージシャンとの共演など活躍の幅を広げている。

 「ここまで頑張ってきたのに卒業後にジャズを続けていく場がない」。結成のきっかけは2012年、日本を代表するラテンジャズ・ビッグバンド「熱帯JAZZ楽団」と共演した市立笹下中学校ジャズ部の生徒のこんな声だった。

 大学生や社会人になれば加入できるジャズサークルがたくさんあるが、ジャズ部のある中学や高校はほとんどない。

 「ジャズの街」とも呼ばれる横浜で、ジュニア・ビッグバンドをつくれないか――。翌13年、熱帯JAZZ楽団とホールが協力し、SBBが発足した。

 練習は週1回。自主的に集まったメンバーが切磋琢磨(せっさたくま)し、プロの演奏家から手ほどきを受ける。学校の部活動と掛け持ちする中高生もいる一方で、「学校の吹奏楽部になじめず、音楽を続ける場を求めて来ている子もいます」とホールの担当者は言う。

 今期のリーダーで、パーカッションを担当する高校3年の蓼川晃紀さん(17)=神奈川県茅ケ崎市=は、小学生のときにSBBの演奏会を見てパーカッションの先輩に憧れた。個人で教室に通い基礎を学んだ上で、中学2年からSBBに加入した。

「テンション合わず」退部を決意

 中学では吹奏楽部とSBBの…

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