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地区シリーズパドレス戦で先発したドジャースの山本由伸=小林一茂撮影
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 大リーグは11日(日本時間12日)、ナ・リーグ地区シリーズ(S)の第5戦があり、ドジャースがパドレスを2―0で下し、対戦成績を3勝2敗として、3年ぶりのリーグ優勝決定シリーズ(S)進出を決めた。ポストシーズンでは初めて日本投手が先発で投げ合い、ドジャースの山本由伸が5回無失点で勝利投手に、パドレスのダルビッシュ有は七回途中まで投げて2失点で負け投手になった。松井裕樹の出番はなかった。

  • 大谷翔平が変化球を空振りしたわけ ダルビッシュ有が謝った4・14の打席

 ドジャースは、13日に開幕する7回戦制のリーグ優勝決定Sで千賀滉大のメッツと対戦する。

 12日はア・リーグ地区Sの第5戦ガーディアンズ―タイガースが行われる。

 大一番の直前、ドジャースのロバーツ監督が先発マウンドを山本由伸に託した理由を明かした。

 「今夜の試合で生涯最高のピッチングをする男に賭けているんだ」

 山本は一回から飛ばした。150キロ台後半の球に変化球で緩急をつけた。唯一のピンチは、1死から連打で一、二塁とされた三回だ。このシリーズで打率4割超、3本塁打のタティスを迎えたが、「攻める気持ちを持って自信をもって思い切り投げた」。切れのあるスライダーで三ゴロ併殺打に仕留めて脱した。

 パドレスの先発ダルビッシュ有も、多彩な変化球で巧みにかわしていく。二回にE・ヘルナンデスにソロ本塁打を浴びたが、三~六回は1人の走者も許さず。ドジャース打線のキーマン、大谷翔平からは2三振を奪った。

 その投げっぷりに呼応するように、山本はさらにギアを上げ、四、五回を三者凡退に抑えた。5回を被安打2、無失点、計63球で堂々の降板。変化球を効果的に使えたのは、直球の制球によるところが大きかった。

 3回5失点と精彩を欠いた第1戦は、直球を投じても、うまくストライクゾーンに投げられなかった。だが、この日は直球をしっかり制御し、きっちりストライクゾーンへ。中5日の登板間隔で修正してみせた。

 日本選手同士による息詰まる投手戦は、ダルビッシュが七回に2本目のソロ本塁打をT・ヘルナンデスに浴び、山本に軍配が上がった。38歳のダルビッシュは「(ドジャースが)山本君を信頼したところに僕も感動しましたし、その中で本当に良いピッチングをしたのはすごくうれしい」。

 26歳の山本も「ダルビッシュさんを心から尊敬してますし、同じ試合に登板できたことがすごくうれしい」。ともに負けられない重圧の中、大役を果たし充実の表情を見せた。(ロサンゼルス=高橋健人)

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