イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ最南部のラファへの侵攻計画をめぐり、イスラエルのカッツ外相は27日、ハマスとの間で人質解放に向けた合意が成立すれば、侵攻を「見合わせる」と発言した。戦闘休止と人質解放をめぐる協議が停滞するなか、ハマスに揺さぶりをかける狙いがあるとみられる。
カッツ氏は、地元テレビ局チャンネル12のインタビューで発言。「人質の解放は我々にとって最優先事項だ」としたうえで、ラファでの作戦を延期する可能性があるかどうか問われると、「もし(人質解放の)合意が得られれば、作戦を見合わせる」と語った。ただ、カッツ氏はネタニヤフ首相やガラント国防相、ガンツ前国防相らでつくる戦時内閣のメンバーに入っておらず、意思決定を直接行う立場にはない。
ハマスはこの日、イスラエルの人質の男性2人の映像を新たに公開した。ロイター通信によると、うち1人は米国との二重国籍者という。相手側から譲歩を引き出そうと、双方の神経戦が続いている。
一方、パレスチナ自治政府トップのアッバス議長は28日、訪問先のサウジアラビアの首都リヤドで「イスラエルを止められるのは米国だけだ」と述べ、イスラエルがラファ侵攻を見合わせるよう米国に影響力を行使するよう促した。
イスラエルとハマスの交渉を…