タイで7日、支持率が5割近い最大野党・前進党に憲法裁判所が解散を命じた。体制に反対する野党の解党処分はタイだけでなく、世界各地で相次いでいる。背景にあるのは、権力を握ってきた側の計算と都合だ。
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タイの公共放送PBSなどによると、タイでは1932年の立憲革命以降、13回のクーデターが起きた。一方、近年の政治動乱の起点となった2006年のクーデター以降は、政党の解党が相次ぎ、主要政党としては今回で10例目。最近は特に増え「司法クーデター」「司法革命」などと呼ばれている。
解党手続きを担うのは、選挙管理委員会と憲法裁判所だ。タイの司法NGO「iLaw」は、解党を命じた憲法裁の裁判官がいずれも、軍政時代の暫定議会や、軍政時代に選ばれた上院から任命されていると指摘。「軍政時代の秩序を維持するため、政治的役割を果たし続けている」と批判する。選管も同じ上院の任命だ。
憲法裁では、上院議員40人…