X(旧ツイッター)の利用停止を呼びかけてデータを他のSNSに移行するためのアプリを使えるフランスのサイト「HelloQuitteX」=同サイトから

 米国でトランプ次期大統領が就任する20日にあわせて、X(旧ツイッター)の利用を一斉に停止する呼びかけがフランスで広がっている。仏国立科学研究センター(CNRS)の研究者らはフォロー相手などXのデータを他のSNSに移せるアプリを開発。利用サイトへのアクセスは1千万件を超え、パリ市などの自治体や市民団体が相次いで利用停止を表明している。

 8日に公開されたアプリ「HelloQuitteX」はXの自分のデータを新興SNSのマストドンやブルースカイに移すことでXでフォロー相手だった利用者を自動的に見つけられ、X上のつながりを維持しやすくする。AFP通信によると、アプリの発音が仏語で「ハローキティ」に似ているため、キティちゃんを模したキャラがロゴマークになっている。

 開発チームは声明で、Xについて所有者の起業家イーロン・マスク氏が「政治目的で利用している」と指摘。マスク氏がトランプ次期政権で要職に就けば、Xの運営をめぐる法的な責任を問われなくなる懸念があるとし、「利用者の精神的健康と民主主義にとってこれまで以上に危険になる」と訴え、Xの利用停止を呼びかけている。

 パリ市は16日、この呼びかけに応じて、約220万人のフォロワーがいるXのアカウントを20日に閉鎖すると発表。マスク氏による買収後のXについて「偽情報や暴力的なコメントを助長している」と批判した。他の自治体や首長のほか、少なくとも約90の市民団体、労働組合などがXの閉鎖や利用停止を表明している。

 欧州ではドイツとオーストリアの60を超える大学や研究機関が10日、「科学的な公正性や民主的な議論などの基本的な価値観にそぐわない」としてXの利用停止を発表している。

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