Windows(ウィンドウズ)を搭載したパソコンなどが19日、異常停止する事態が突然起こりました。米サイバーセキュリティー対策大手のソフトが原因でしたが、航空便の運航やテレビ放送にまで支障が出る世界最大規模の障害に発展。インターネットでつながる社会のもろさが表面化しました。長年、情報セキュリティーについて取材してきた須藤龍也編集委員は、「単なるコンピューターのトラブルではなく、『災害が起きた』と思ってほしい」と話します。(構成・田渕紫織)
社会の隅々にまで
――今回のウィンドウズの異常停止は、仕事や移動で世界中の人が影響を受けました。原因は?
多くの人のパソコンに現れた青色のエラー画面を見ると、引き起こした原因として「csagent.sys」というファイル名が書かれていました。「cs」が米国のセキュリティー企業「クラウドストライク」の略であることが、直後の様々な取材などを総合してわかりました。
――多くの人が今回初めて、クラウドストライクという名前を知りました。
米クラウドストライク(CS)の説明によれば、サイバー攻撃に備えて各パソコンに入れているプログラムの設定を変えたところエラーが生じ、ウィンドウズがクラッシュした、としています。
CSの製品はアメリカ政府の厳しい認証基準もクリアしています。重要インフラ企業を含む大企業の間で広く採用され、事実上「標準」に近い状態です。
しかし、今回のようにファイ…