捜索で指定暴力団道仁会本部事務所から押収品を運び出す熊本県警の捜査員=2024年11月12日午前11時36分、福岡県久留米市京町

 詐欺の被害者から現金を受け取る「受け子」などをSNSで募集したとして、指定暴力団・道仁会系組幹部らが職業安定法違反容疑(有害業務募集)で逮捕された事件があり、熊本県警は12日、勧誘に組織的にかかわった疑いがあるとして道仁会本部(福岡県久留米市)を同容疑で捜索した。

 県警は、受け子といった「闇バイト」が暴力団の資金源になっている可能性があるとみている。

 12日午前11時、組織犯罪対策課などの捜査員35人が、久留米市京町にある道仁会本部で捜索を始め、段ボール2箱分の証拠品を押収した。県警は「闇バイトについては、今後もあらゆる法令を適用して摘発する」としている。

 事件をめぐっては、これまでに道仁会系組幹部、西村達哉容疑者(27)のほか、熊本市内の姉弟で飲食店従業員の少女(18)と高校生の少年(16)の計3人が逮捕された。

 県警によると、3人の容疑は、共謀して10月10~20日ごろ、SNSに「短期間で高収入、やりたい人いたら連絡ください」と投稿。応募してきた県内の男子高校生に、詐欺の被害者から現金などを受け取る「受け子」などについての仕事内容を説明したうえで「警察に捕まったりはしません」「捕まっても黙秘すれば大丈夫です」などと勧誘したというもの。県警はいずれも認否は明らかにしていない。

 職業安定法は「公衆道徳上有害な業務に就かせる目的」で労働者を募集したり、募集情報を提供したりすることを禁じている。県警によると、この規定を適用した逮捕は初めてだという。

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