健康への影響が懸念されている有機フッ素化合物(PFAS)について、環境省の専門家会議は17日、現在の水道水の暫定目標値の見直しに向けた議論を始めた。数値を厳しくするかどうかや、自治体などの対応の義務付けなどが焦点だ。
PFASは1万種類以上あるとされる有機フッ素化合物の総称。代表的なものがPFOSとPFOAで、人体や環境中でほぼ分解されないため、「永遠の化学物質」とも呼ばれる。国内では、2020年に水道水や、河川・地下水について、PFOSとPFOAの合計で1リットルあたり50ナノグラム(ナノは10億分の1)とする暫定目標値を設定している。
この数値は海外事例を参考につくった暫定的なものだが、近年各国で基準を厳しくする動きが出てきている。特に米バイデン政権は今年4月、これまではPFOSとPFOAの合計で1リットルあたり70ナノグラムだとしていた勧告値を大幅に厳しくし、それぞれ同4ナノグラムと設定。基準を超えた場合には削減策をとることも義務づけた。
リスクをどう減らすか 米国は異なる考え
日本では内閣府の食品安全委…