発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)について、北海道大学など4大学が、健康への影響に関する研究を共同で始める。北大などが2002年から継続している出生時からの子どもの追跡調査の参加者を対象に、PFASの血中濃度を測定し、子どもの免疫や発育にどう影響するかなどを明らかにしていく。
PFASは水や油をはじき熱に強く、フライパンの表面加工や泡消火剤、半導体など幅広く使われ、身近に存在している。ただ、自然界ではほぼ分解されず、人体に取り込まれれば長く残ることから健康への悪影響が懸念されている。
研究は環境省の委託で、北大のほか北海道医療大学、帯広畜産大学、静岡県立大学が実施。今年6月ごろ開始し、最長3年間行う。約1万種類あるとされる有機フッ素化合物の総称であるPFASは、どのPFASが人体に深刻な影響を及ぼすかなどが分かっていない。今回の研究では、製品などに多く使われ、これまでに人体に摂取されているおそれが高い約30種類を対象に研究を進め、優先的に規制を検討すべきPFASを国に提案していくのが目標だ。環境省では「代表的なPFOS、PFOAは研究が進んでいるので、その次に優先度が高い物質の知見を深めたい」(環境管理課PFAS対応チーム)としている。
毒性の解明も
研究では、02年からの追跡…