綿毛が舞っているかのような軽やかなダンス。清涼感のある端正なたたずまい。パワフルなショーが特徴のOSK日本歌劇団の中で、男役スターの椿(つばき)りょうは独自の存在感を放っている。入団10年目となる今年は、ミュージカルで主演を務める予定。さらなる活躍が期待されている。
ジャズダンスに打ち込んだ幼少期。ステージに立つ職業にあこがれた。高校卒業後は地元の三重を離れ、ミュージカルを学べる大阪の大学に進んだ。
演劇の世界の中で、どんな道に進もうか模索していた頃、OSKに出会った。
舞台から押しよせるエネルギー。男役の日本舞踊の美しさ。圧倒された。「自分が本当にやりたいことは何だったのか、しっかり見つめることができた」。大学を半年で中退。2016年に入団した。
そんな椿のこだわりは「背中」だ。
「黒燕尾(えんび)を着たと…