政府は10日の閣議で、外交・安全保障政策の司令塔となる国家安全保障局(NSS)局長に、岡野正敬外務事務次官(60)を起用する人事を決めた。20日付。3年半にわたって局長を務め、防衛費の大幅増や敵基地攻撃能力保有など安保政策の転換に関わった秋葉剛男氏(66)は退任する。
後任の岡野氏は1987年に外務省に入省。駐米公使や国際法局長、総合外交政策局長などを経て23年8月から外務次官を務め、長期化するロシアのウクライナ侵略への対応や、中国との「建設的かつ安定的な関係」の構築などに取り組んだ。今後は20日発足のトランプ米政権の国家安全保障チームとの緊密な関係構築などが求められる。
林芳正官房長官は閣議後の記者会見で、「岡野氏は外交・安全保障分野において豊富な知識と経験を有しており、適任であると総合的に判断した。我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面するなかで、これまでの経験と知見をいかして安全保障上の課題に果敢に取り組んでもらいたい」と述べた。
一方、退任する秋葉氏は菅…