新NISA(少額投資非課税制度)が始まって1年、今では成人の「4人に1人」がNISA口座を持つようになった。「貯蓄から投資」への動きが加速している。日本だけでなく、お隣の韓国でも似たような投資制度が普及する。それらのルーツをたどると、約25年前の英国にさかのぼる。
- 知っておきたい新NISA 今や4人に1人、「将来」託す制度の中身
灰色の雲が空を覆う12月のロンドン。観光客でごった返す中心部から少し離れたカフェで、自動車の営業をしている、テイラー・ルイス・メドフォードメイジャーさん(25)は、こう言った。
「ここでの生活費はとても高い。税金のかからない貯金方法があるのは本当に助かります」
テイラーさんが大学を出て働き始めた約3年前に始めたのが、「ISA」(個人貯蓄口座)だ。
「どう活用してる?」ロンドン市民に聞くと
貯蓄の少ない英国人の意識を変えることなどを目的に、1999年から始まったISAは、預金も投資もできる。預金は利息、投資は利益分が非課税となる。年間2万ポンド(約394万円)の拠出が上限だが、日本とは異なり、生涯の拠出限度額に制限はない。
テイラーさんも少額から積み…