NHK放送センター=東京都渋谷区

 NHKは8日、放送法改正に伴う2024~26年度の中期経営計画の修正案を発表した。来年10月からインターネット業務が放送と同様の必須業務になることに伴い、ネット配信のみを利用する場合は、地上波のみ見られる地上契約と同額の税込み月額1100円にする。ネット配信のみの受信契約は来年度下半期で1・2万件を見込む。

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 NHKのネット業務は、放送を補完する「任意業務」だったが、放送と同様の必須業務に格上げする改正放送法が5月に成立し、来年10月に施行される。法改正の背景には、ネット上で拡散される偽・誤情報や若年層を中心に進むテレビ離れがある。NHKは、改正法に基づくサービスを行うために、中期経営計画を修正する。

 ネット視聴は、受信料を支払っている世帯に新たな負担は生じない。テレビを設置せず、ネット配信のみを利用する場合の受信契約は、地上契約として扱う。スマホやパソコンなどを持つだけでは契約は求められない。

 ネットのみの受信契約件数は推計で、25年度下半期(10~3月)は1・2万件で1億円規模の収入、26年度には2・4万件で2億円規模の収入を見込むという。あるNHK幹部は、ネットの必須化にともなうサービスの需要について、「新たな財源を確保する抜本策にはならない」と話す。

 改正法は、番組の同時・見逃し配信、文字ニュースなどの「番組関連情報」の提供をネット配信の業務範囲にする。番組関連情報の配信費用は、年90億円程度(人件費などを除く)を想定しているという。

 NHKはこの日、番組関連情…

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