「フローム、ユウキィ！」
河村勇輝が下手投げでリング付近に長いパスを出し、味方の豪快なダンクを演出すると、実況の叫び声が場内をこだました。
米サンフランシスコで行われたプロバスケットボールNBA下部・Gリーグのオールスター戦。
河村は10分間で3アシストを記録し、見せ場を作った。「もう、一瞬でしたね」。ファン投票1位でつかんだ晴れ舞台を、23歳は笑顔で振り返った。
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今後、NBAでの飛躍が期待される有望株の「ショーケース」。同じパリ五輪代表の富永啓生と出場し、日本のバスケ史に新たな1ページを加えた。とはいえ、現地の注目度は高くなかった。
試合会場は、企業の展示イベントの一番奥に作られた特設コート。約2キロ離れたウォリアーズのホームアリーナで開催されたNBAオールスター戦の、数ある前座の一つに過ぎなかった。メインイベントはまばゆい照明の中、ミュージシャンらがスター選手の共演を盛り上げ、別次元の華やかさだった。
展示場とアリーナ。二つの球…
