瀬戸大橋上で停車した快速マリンライナー=岡山・香川県境の下津井瀬戸大橋、JR四国提供

 JR瀬戸大橋線の快速列車が橋上で長時間立ち往生したトラブルをめぐって、JR四国の長戸正二専務・鉄道事業本部長らが10日夕、高松市のJR四国本社で記者会見し、「お客様に車内で長時間お待ちいただく本当に申し訳ない結果になり、深くおわび申し上げる」と陳謝した。

 列車は児島駅(岡山県倉敷市)の約4キロ手前の下津井瀬戸大橋上を時速80キロで走行していたが、運転士が計器で異常に気づき、車掌も異音を感じて非常ブレーキをかけ、500メートル近く先で停車した。

 原因について、谷芳彦・取締役工務部長は「架線そのものか、架線とパンタグラフの間で何らかの異常があった可能性がある」と述べた。現場付近の架線の最後の点検は目視が今月5~6日、検測車は9月26日に実施し、異常はなかった。また、当時の天候にも問題はなく、10分前に先行した特急列車も問題なく通過していたという。

 トラブルの発生から長時間にわたって列車が立ち往生し、乗客を移すための救援列車が到着するまでに5時間以上かかったことをめぐり、長戸専務は「いろいろ検討したが、一番安全なのは異常のない下り線に児島側から救援列車を入れ、お客様に渡り板で乗り移ってもらうという結論に達した」と説明したうえで、「結果として時間がかかったことは、反省している」と述べた。(福家司)

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