JR九州高速船が日韓高速船「クイーンビートル」の浸水を隠して運航を続けた問題で、親会社のJR九州は23日、運航再開を断念し、30年以上続いた日韓航路から撤退すると発表した。浸水を繰り返した船首部分の抜本的補修が難しく、「確実な安全が担保できない」との結論に至った。

JR九州高速船が運航する「クイーンビートル」=2022年8月11日、佐賀県唐津沖、朝日新聞社ヘリから、堀英治撮影

 JR九州の古宮洋二社長は記者会見で「ハード対策を施しても、船体へのクラック(亀裂)発生のリスクを完全には払拭(ふっしょく)できない」と説明した。運航再開をめざしていたが、不正発覚から4カ月で断念に追い込まれた。

 JR九州高速船は会社自体を清算し、従業員70人は原則としてグループ内で処遇する。清算の時期は、福岡海上保安部が進めている捜査への対応などを終えた後になる。船体はリース会社が保有し、売却するか廃船にするかは未定だという。

 クイーンビートルはオースト…

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