JR旅客6社は2日、往復乗車券と連続乗車券の発売を2026年3月に終了すると発表した。長距離だと運賃が1割引きになる「往復割引」も終了する。「Suica」など交通系ICカードやネット予約システムの普及で、発売枚数が減っていることを理由に挙げている。
往復乗車券は同一区間を往復する場合、行きと帰りをまとめて発売する切符。片道601キロ以上だと、行きも帰りも運賃が1割引きとなる「往復割引」が適用されるほか、切符の有効期限が片道の倍となる。連続乗車券は乗車区間の一部が重複する場合などに発券され、有効期限が伸びる。往復乗車券は1887年、連続乗車券は1958年から発売され続けてきた。
JR東日本によると、往復乗車券の利用は過去5年間で約2割減少。指定席券売機やみどりの窓口で発券される中長距離切符に占める割合は約16%にまで減ったという。
ネット予約「新幹線eチケット」や「EX予約」の「往復割引」の扱いは未定という。
JR各社は「往復乗車券は払い戻しや行き先変更を窓口で行う必要がある。ネット予約にはより割安な商品があるので、そちらを利用してほしい」と話している。