JR山陰線の利用促進協議会で、同線の利用状況を説明する広岡研二・JR西日本広島支社長(右)=2024年8月8日午後2時57分、山口県萩市江向、向井光真撮影

 JR山陰線の利用促進協議会は、昨夏から運休が続いていた一部区間が6月に運転を再開したことを踏まえ、列車内でボディービルコンテストを開催するなど、利用客の増加を目指す。山口県萩市役所で8月8日に開いた総会で確認した。

 協議会は下関―益田間の沿線5市町やJR西日本などで構成される。昨夏の大雨で被災して運休していた長門市―人丸、滝部―小串の両区間が6月に運行を再開。残る人丸―滝部の区間は来年度に復旧する見込み。

 協議会の会長を務める前田晋太郎・下関市長はこの日の総会で「山陰線が(被災して)使えないことがいかに市民生活に厳しい影響を与えるかを理解する1年だった」とあいさつした。

 今年度の利用促進策として、ボディービルコンテストを列車内で開催する「マッスルトレイン」の運行▽鉄道写真家との写真撮影ツアー開催▽自転車を列車内にそのまま持ち込める「サイクルトレイン」の試行▽山陰線の魅力を発信するHPやインスタグラムの拡充、などに取り組むことが決まった。

 一方で、JR西の広岡研二・広島支社長は山陰線の2023年度の輸送密度(1キロあたりの1日平均利用者数)が長門市―小串・仙崎で205人(前年度273人)、益田―長門市で209人(同231人)と落ち込んでいる状況を指摘。「継続的にお使い頂くような仕掛けが大事。山陰線を復旧する判断をしたので、鉄道を将来に向けて持続可能なものにしていくのか議論したい」と述べた。

 前田市長は総会後、「いかに利用者が減ってきたかを知らされた。決定した事業で利用促進を成功させ、山陰線を未来永劫(えいごう)残していけるよう努力していく」と話した。(向井光真)

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