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音楽教室の事業者などでつくる「音楽教育を守る会」の大池真人会長(左)と日本音楽著作権協会(JASRAC)の伊沢一雅理事長が会見に臨んだ=2025年2月28日、千代田区内幸町1丁目、田島知樹撮影

 音楽教室での楽曲演奏について徴収する著作権料をめぐり、日本音楽著作権協会(JASRAC)は28日、「生徒1人あたり年間750円」「中学生以下は1人あたり100円」などとすることで事業者らの団体と合意したと発表した。本格的に徴収を始めるという。「個人で経営する教室については適用対象外」としている。

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 著作権料の徴収については、JASRACが2017年2月に方針を表明。音楽教室側は「練習や指導のための演奏に著作権は及ばない」などとして、大手を含む事業者らが同年6月、JASRACに徴収する権利がないことの確認を求めて訴訟を起こした。

 裁判は22年に終結。生徒の演奏については著作権料を支払う必要がないとの判断が示された。その後、JASRACは、裁判の原告も含む事業者らの団体「音楽教育を守る会」と料金などについて協議してきた。

 両者はこの日、共同記者会見を開催。講師の演奏について徴収する料金を決めたと報告した。

 JASRACが管理する曲を演奏する教室から、年間契約の場合は生徒1人あたり750円(中学生以下は100円)を徴収。1回のレッスンごとに支払う方法なども設定したという。

 JASRACの伊沢一雅理事長は「長い経緯をたどったが、多くの話し合いのなかで、最終的にこういうご報告ができたことをうれしく思う」と話した。

 「音楽教育を守る会」の大池真人会長は、「交渉は長らく停滞したが、子どもの音楽教育の重要性については共有できた。(支払いが)ゼロにはならないが『子どもは100円』という額は十分納得できる」とした。

 裁判では、レッスンでの講師…

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