トヨタ自動車が2025年3月期(通期)の業績見通しを上方修正した。認証不正などの影響から生産を立て直し、主力の北米市場では、電気自動車(EV)からハイブリッド車(HV)にシフトする需要を取り込みたい考えだ。だが、「トランプ関税」が先行きを不透明にしている。

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 もともと25年3月期は、当初から認証不正を受けた生産体制の見直しや職場環境の改善に費用をかけ、減益を見込んでいた。この日の発表では、営業利益は前年より12.2%減の4兆7千億円としたが、当初予想よりは4千億円改善するという。

 牽引(けんいん)役はトヨタが得意とするHVで、1台あたりの利益はガソリン車とほぼ変わらない水準になっており、北米や欧州などでよく売れた。値上げや、販売店に支払う「販売奨励金」を抑制することでも、減益幅を縮める。

 生産台数の回復も寄与する…

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