内閣府が16日に発表した2024年1~3月期の国内総生産(GDP)1次速報は、物価変動の影響をのぞいた実質(季節調整値)で直前の四半期より0.5%減った。2四半期ぶりのマイナス成長で、この状態が1年続いた場合の年率換算は2.0%減。個人消費が停滞しているところに、トヨタ自動車グループの認証不正問題の影響が直撃した。
GDPの5割超を占める個人消費は0.7%減った。4四半期連続のマイナスで、同様のマイナスが続いたのは、リーマン・ショックが重なった09年1~3月期までの4四半期以来。自動車や携帯電話が低調だった。物価高によって消費者が節約志向を強めていることも背景にある。
設備投資は0.8%減り、輸出は5.0%減った。トヨタ系のダイハツ工業などが不正の発覚を受けて製品の出荷を止めたことが、車の消費にとどまらず、設備投資や輸出にも影響したとみられる。
民間エコノミストの間では、次の4~6月期はプラス成長に戻るとの見方が主流だ。ダイハツなどが出荷を再開したのに加え、歴史的な賃上げ率となった春闘の結果が反映されはじめるからだ。(内藤尚志)