ブラジルのリオデジャネイロで開会中の主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は、初日の18日に首脳宣言を発表した。気候変動対策について、多国間協調に背を向けるトランプ次期米大統領を牽制(けんせい)するような表現を盛り込んだ。一方、通商分野では「保護主義」に反対する文言が消えた。G20でも自由貿易から距離を置く姿勢が強まったことが背景にある。
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18日夜に公表した宣言文には、地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」の重要性について8カ所で言及した。「パリ協定での多国間主義への強いコミットメントを再確認し、協定の目標達成に向けた努力の追求で結束し続ける」。昨年の宣言文と比べると「結束し続ける」という文言を加えてより強調している。
背景にあるのは、パリ協定からの再離脱を宣言しているトランプ氏の存在だ。南アフリカで開く来年のG20は、パリ協定を守るべきだとする宣言文について、米国が反対する可能性が高い。
実際、第1次政権でトランプ…