ワシントンのホワイトハウスで2025年2月28日、ウクライナのゼレンスキー大統領(左)と会ったトランプ米大統領=ロイター

 トランプ米大統領がウクライナへの軍事支援の一時停止を指示するなか、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は4日、加盟国が迅速に防衛費を増額できるようにするための「欧州再軍備計画」を発表した。総額8千億ユーロ(約125兆円)の増額を見込み、「欧州は責任を果たす準備ができている」と述べた。

 計画には、財政規律の緩和や最大1500億ユーロ(約24兆円)の融資、EU予算の活用などの5項目が盛り込まれている。短期的にウクライナへの武器提供などに対応するだけでなく、中長期的に欧州の防衛力を強化し、米国からの「自立」を目指して、練られたという。

 項目の一つである「財政規律の緩和」は、一時的に財政規律を緩め、防衛費を増額できるようにする内容。EUは厳しい財政規律を定めており、加盟国は財政赤字を国内総生産(GDP)比3%以内に、債務残高を60%以内に抑えなければならない。違反すれば制裁金などの罰則もある。

 フォンデアライエン氏は、一…

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