レバノンの首都ベイルートで2024年5月2日、握手するフォンデアライエン欧州委員長(右)とレバノンのミカティ首相(中央)、キプロスのフリストドゥリディス大統領=AP
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 欧州連合(EU)は2日、レバノンに対して4年間で10億ユーロ(約1658億円)相当の財政支援を行うと発表した。今年に入り、シリア難民がレバノンを経由してEU加盟国のキプロスに渡る例が急増しており、欧州への不法移民対策の一環と位置づけている。

 この対策は2027年までの計画で、キプロス政府によると10億ユーロのうち7億ユーロ超がレバノンにいるシリア難民支援に、2億ユーロがレバノンの国境管理の強化に充てられる見通しだ。

 レバノンの首都ベイルートを訪れているフォンデアライエン欧州委員長は「国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と緊密に連携し、難民のシリアへの自発的な帰還を構造的に促す方法を模索している」と述べた。レバノンのミカティ首相も「爆発的な難民問題は、レバノンに限らず欧州にも広がり、国際的な危機となるだろう」と述べた。

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