アゼルバイジャンの首都バクーで開催されている国連気候変動会議(COP29)では、あちらこちらで米国のトランプ次期大統領(共和党)が話題にあがる。本人は不在だが、国際ルール「パリ協定」から離脱する意向を示している次期政権の政策が参加各国に大きく影響するためだ。「非トランプ」の動きもあるものの、世界2位の排出国の動向は、気候変動対策を後退させかねない。
「トランプ氏にとって、この進展を巻き戻すには遅すぎる」
COP29の会場で14日に開かれたイベントで米ワシントン州のインスリー州知事(民主党)はこう訴えた。州内のかつての農業地帯で脱炭素産業が発展し、雇用が生まれていると説明し、すでに脱炭素の動きが根付いていると強調。投資や再エネに関する規制の例を挙げ、州単位で決められる権限もあるとも語った。
ワシントン州は「America Is All In(アメリカ・イズ・オール・イン)」という団体のメンバーだ。米国内で気候変動対策を進める約5千の自治体や企業などが加盟。パリ協定を支持し、2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロをめざす。国としては対策を後退させても、自治体や企業が削減を続けることで、結果として脱炭素を進められるという考えだ。
COP29に共和党議員が率いる一団も
団体に加盟する自治体は民主…